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第3回 教えて!ファミクリ先生!『効率の良い水分補給』

かてgん

今回の「教えて!ファミクリ先生!」は、

ニッパツ横浜FCシーガルズ・吉田凪沙選手からのご質問です。

優勝争いで盛り上がっている中、キャプテンの吉田選手自らのご登場いただき、ありがとうございます!

アスリートの皆さんや、屋外作業の多い方、ご高齢者やお子さんなどにとって、夏場の水分補給はとても重要な問題ですよね。

それでは、お答えいたします!

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1.必要な水分量はどれくらい?

 私たちの身体や心のバランスを維持するために、どれくらいの水分量が必要なのでしょうか。

 私たちは呼吸のたびに息を吐きますが、この吐く息にも蒸気が含まれていますし、皮膚や粘膜からも常に水分が蒸発しています。このような、私たちが気づかない、自然と失われていく水分のことを「不感蒸泄」と言います。私たちが感じることのできる汗は、この不感蒸泄には含まれません。

 常温(25℃前後)かつ安静時における不感蒸泄は、健常成人で1日約900ml(皮膚から600ml、呼気に300ml)にもなります。発熱したり、過換気状態になれば、さらに増加します。

 健常成人では(もちろん日差や個人差はありますが)1日に約1200mlの尿が出るとされ、便には約100mlの水分が含まれています。

 つまり、全く汗をかかない状態でも、普通に暮らしているだけで1日2200mlの水分が失われることとなります。

 これに、汗で失われる水分量を加算します。真夏の炎天下で外を10分歩くと、約100mlの汗をかくそうです。他にも、約1時間の通勤では約200ml、43℃のお風呂に10分入浴で約300mlなどなど。皆様が思っていたよりも、発汗量って多いなという印象ではないでしょうか。

 そうすると、先ほどの不感蒸泄、排便・排尿、発汗を全て合算すると、健常成人会社員(日中は涼しい部屋でのデスクワークでほぼ汗をかかないとして)の水分喪失量はだいたい1日2800mlくらいとなります。

つまり私たちは生きていくために 1日で2.8リットル前後の水分が必要 と考えておけばいいでしょう。

 ちなみに、気温26℃で吉田選手のようにサッカー1試合90分を戦うと、約2000〜2200mlの発汗量と言われていて、夏場はさらに増加します。高温環境の室内作業などに従事されている方では、8時間で10L以上の汗をかくこともあるそうです。

 

2. どうやって水分を摂ればいい?

 2.8Lの水分が必要だからといって、毎日2.8Lの水を飲むことはありません。

 私たちが食べる食事にも水分は含まれており、だいたい1000mlくらいと考えます。また、私たちは摂取した栄養素を体内で代謝し、吸収しますが、この過程で代謝水と言われる水分が生成されます。これが約300mlくらいです。

 つまり、食事の他に 1.5リットルくらいの水分補給をしてあげればいい ことになります。

 では、どんな飲み物が水分補給には適しているのでしょうか?

 汗の99%以上は水であり、含まれる塩分は0.3%ですので、仮に1日1Lの汗をかいたとしても塩分喪失量は3gに過ぎません。そもそも人間が生命維持に必要とする塩分量は1日2gと言われており、これと合算しても1日5gの塩分摂取量で十分ということになります。

 現代の日本社会において、普通に食事をしていれば1日に8〜10gの塩分は摂取されていると考えられるので、通常の生活においてスポーツドリンクや経口補水液など電解質含有の飲料を使用する必要はありません

 吸収速度においても、水・お茶・スポーツドリンクそれぞれで消化管からの吸収速度はほぼ変わらないという研究結果があります。したがって、夏場だからといってスポーツドリンクを大量に飲用することは、むしろ塩分過多・糖分過多になるリスクがあるのでお勧めできません。

 一方で、長時間の屋外作業やスポーツ、高温室内作業において、1日3L以上の発汗が予想される場合には、塩分を補給する必要があると考えられます。急速に塩分が失われる一方で、水やお茶などのみを補給した場合、体内のナトリウム濃度が下がる(低ナトリウム血症)状態になる可能性があるからです。

 この場合でも、一定時間に消化管が吸収できる水分量には上限があるので、できるだけこまめに、少量ずつ、スポーツドリンクや経口補水液を摂取してあげることが望ましいでしょう。具体的には、20〜30分ごとに、1回150〜200ml程度(コップ1杯くらい)を飲用するといいでしょう。スポーツをされる時などは、運動30分前までの十分な水分摂取も有効です。

 厳しい環境で、激しいスポーツをされる際には、もちろん一緒に糖分も補給されるといいでしょう。サッカーの試合などでは、それこそ10〜15分おきに150〜200ml程度のスポーツドリンクを補給することで、脱水予防、パフォーマンスの維持に良い影響を与えると考えられます。 

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 まだまだ暑い日が続いております。

 上手に水分補給をして、脱水、熱中症にならないよう、夏を乗り切りましょう!

 吉田選手、いかがでしたでしょうか?お答えになっていますでしょうか?

 今シーズン残り数試合、キャプテンとして、優勝に向けて頑張ってください!!!

 

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